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バンカー・パレス・ホテルのMelkoのレビュー・感想・評価

バンカー・パレス・ホテル(1989年製作の映画)
3.1
「それは禁止されてる言語よ」
「そうだ、私が禁止した。そして今、私が許可する」

今日は有給を頂いています。
何をやるではないけど、最近忙しくて映画見れたり見れなかったり…だったから、今日はゆっくり映画を何本か見ようと。見れるとこまで。

お初なエンキ・ビラル作品。
この人、セルビア出身でバンド・デシネの漫画家なんだなぁ。
と思い返してみると、漫画っぽい構図の場面が多かったなぁ、となんか納得。
セルビア出身だからなのか、処女作のテーマは「国の崩壊と再生」(のように私は感じた)

天気の悪い、とある国。
政府軍とレジスタンスが日夜激しい戦いを繰り広げていたが、レジスタンスに押され、もはや政府は崩壊寸前だった。
そんな中、大統領によって地下のホテルに集められた政府高官達。
目の前で撃たれた仲間の代わりに、クララというスパイがホテルへ潜入するが…と言うストーリー。

物語のほとんどはホテルが舞台の、密室劇チック。変わり映えのないシーンの連続に、バックボーンがほとんど説明されない登場人物たち、なかなか見えてこない戦況。
めちゃくちゃ話のスピードがノロく、ラスト15分で畳みかけるように話がビュンビュン進み、あっというまに終わる。
そこに至るまでの思わせぶりな会話の数々…
なんか、所謂「何度も見ることで新たな発見がある」作品なのかもしれないけど、何度も見たくはならない絵面の地味さにキャラの魅力の無さ…

私があまりアメコミを好きになれないような雰囲気がそこにあった気がする。。

神出鬼没でニヤニヤしてて、クララに怪しく近づくハゲのオルムも嫌悪感だし、
鼻持ちならない政府高官たちも嫌悪感
態度がイマイチはっきりしないクララにもイライラ…色気はあるしショートの赤毛は似合ってたけど…

とにかく、意味があるようでない会話が多く、話の筋もよく見えてこないからあまり楽しめず。
ラストのちょっぴりどんでん返しも「ふーん…」て感じ。。

楽しめたのは、ブルガリア民謡をフィーチャーしたBGM(冒頭いきなり「イエーーイッッ!」って始まったのはビックリした笑)に、バリバリに人が演じるアンドロイド。
カクカクした動きに、まばたきや呼吸をしない演技って、地味に大変そう。
型が古いからヘマしてばかりのアンドロイドたち、調整のされ方が「叩かれる」一択とは笑
バグって同じ旋律ばかり演奏するバンドマンAIも良かったけど、爆乳白塗りおばさんAIが印象的。(AIが相手だろうが、男の欲は同じなのね…)

男モノの荷物を持ってきちゃったクララが男ファッションに身を包むところもおしゃれだったなぁ。

ストーリーは微妙だったけど、低予算だろうけど凝ってる美術やセット、アクが惜しい登場人物など気になったから、2作目の「ティコ・ムーン」も見てみたい。。
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