ginger

エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事のgingerのレビュー・感想・評価

3.4
19世紀の上流社会という閉鎖的な慣習が背景にある中、ふたりの女性の間で心が揺れる男の心情を描いたお話。ナレーションが文芸作品っぽさを演出している。ひたすら男が恋に苦悩する様が描かれ、女性の方は案外理性的で現実的にみえた。主人公が愛したふたりの女性(特に妻)が賢い選択をしたからこそ、男は時を経て心の充足感を得る。男は女の手のひらで転がされている、でもその方が幸せになれるってことが人生には往々にしてあるよ、みたいな。
海辺で灯台を船が過ぎるまでに振り向いてくれたら声をかけようというシーンがとても印象的で美しかったと感じられたのは、この物語の結末であればこそでした。
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