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フローレスのHKのレビュー・感想・評価

フローレス(1999年製作の映画)
3.5
ロバート・デ・ニーロとフィリップ・シーモア・ホフマン二大名優の競演。
映画から遠ざかっていた時期の作品とは言え、存在すら全く知らない映画でした。
監督は『フォーリング・ダウン』『フォーン・ブース』のジョエル・シューマカー。
原題は“Flawless”(欠点が無く完璧なこと)。
邦題はカタカナ表記にしただけで意味不明、人の名前だと思ってました。
地味で目立たないのは、なんの工夫もないこの邦題のせいもありそう。

同じアパートに住む頑固な元警官とドラァグクイーン、初めはお互い相手を毛嫌いしますが、あることをキッカケに徐々に友情が芽生えます・・・
もう完全にフィリップ・シーモア・ホフマン(当時32歳)のドラァグクイーンありきの映画です。いかにもこんなゲイいそうというキャラを見事な存在感で演じています。

それに比べ、デ・ニーロ(当時56歳)の方は脳卒中で片マヒとなる役とは言え、話すのも歩くのも不自由な障がい者演技は地味だし単調だし、なによりどう見てもデ・ニーロ以外のナニモノでもないし。
口を歪ませてしわがれ声を出す様子は、なんだか『ゴッドファーザーPART2』の若き日のビトー・コルレオーネを演じたときのデ・ニーロを思い出してしまいました。

クライム要素はあった方が良かったのか悪かったのか微妙。
名優二人の競演ながら、シューマカー監督がソツなく仕上げてしまったため作品のインパクトは弱め。
あと一押し欲しかったという印象。
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