一人旅

ゲット・ショーティの一人旅のレビュー・感想・評価

ゲット・ショーティ(1995年製作の映画)
3.0
バリー・ソネンフェルド監督作。

マフィアの集金屋の男が映画製作の夢を叶えるため奔走する様子を描いたコメディ。
クセの強い人物が多数登場する群像劇に近いコメディ作品。映画マニアの集金屋(ジョン・トラヴォルタ)、小柄な中年映画スター(ダニー・デヴィート)、借金返済に困った映画プロデューサー(ジーン・ハックマン)、凶暴な“ホンモノ”マフィア(デルロイ・リンドー)。配役は豪華で魅力的だが、登場人物それぞれの思惑や大金が複雑に絡み合っていく物語はやや分かりづらい印象を受ける。
ソネンフェルド監督自身の映画に対する愛をテーマにした作品かと思いきやそうでもない。主人公の集金屋は映画のセリフを呟いたり熱く演技の話をしたりするが、基本的に描かれるのは映画製作に必要な資金集めに苦心する姿だ。その過程で多数の人間を巻き込みながら物語は予想外の方向へと転がっていき、資金集めという地味な活動自体がいつの間にか映画のような劇的物語に化けていく・・・というありがちな内容。映画への愛よりも、映画作りにおける製作者の苦悩と苛立ちをユーモアを交えて描いている。
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