大衆向け商業娯楽作品なので、細かい難癖をつけるつもりは毛頭ないのですが、
全体的に作品のクウォリティが低いような感じがして、
80年代当時とは言え、よく成功したものだなと思ってしまいました。
まあ、でも、そういう時代だったよなと思い直したり。
アメリカ空軍のエリートパイロットの話で、
激しい空中戦あり、教官との恋愛あり、僚友の事故死あり、
落ち込みからの立ち直りあり、ということなのですが、
それら主要なイベントを切り貼りしただけという感じで、
物語の展開、つなげ方が雑だなぁと思ってしまいました。
説得力のあるつながりを放棄して、
いかにもかっこよさげなシーンと音楽とでごまかしているような、
うやむやにしているような。
そういうスタイルこそが受けたという事なんでしょうけどね。
本作のひとつの売りとして、空中戦の描写があると思います。
機内操縦者の正面からのアップと飛行機が空中を進む映像を切り替えることで、
緊迫感、臨場感を演出していると思われるのですが・・・
機内の映像については、操縦者の顔がマスクをかぶっているので、
表情の演技を見ることができず、
それどころか、誰が誰だかも見分けがつきにくい状態で、
よくこんなものつくろうと思ったなと。
リアルを追求するにしてももう少し工夫できなかったものかねと。
その一方で飛行機の飛ぶ姿の映像も結構単調なんですよね。
機体自体のフォルムはカッコいいのですが、
そのフォルムが分かる程度の距離感の絵がほとんどで、
スピード感とか、凄味がなかなか感じられないのです。
あと、本質的にあまり楽しめなかったのは、
トム・クルーズが演じる主人公にあまり魅力を感じなかったところですかね。
むしろライバル役の少しスカした感じの役柄の人の方が、
初っ端から終始クールで、問題を起こすこともなければ、教官とイチャつくこともなく、
好感度が高いと思ってしまいました。
あと、恋愛要素の部分は、今の感覚で見ると、とてもこっ恥ずかしいです。
これは時代の感覚なので致し方ない。
ヒロインの教官も、立場的にせめてカッコよくあって欲しいところ。
なんかガード低いし、低くて然るべきな気がするし・・・