おきゃん

春夏秋冬そして春のおきゃんのレビュー・感想・評価

春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)
3.8
こんなロケーションどこにあるんだよって位、完璧な場所。こりゃまるで絵本。

人間の一生を春夏秋冬で表現した静かな作品。厳しくも美しい韓国の自然をたっぷり愛でることが出来ます。

ギドクお得意の、水辺、閉鎖された空間(物理的か心理的か)変なシチュエーション、性欲の抑圧、タブー、殺生、魚の虐待、白いワンピース、処女童貞などなど盛りだくさん。

そこそこギドクを観て来たけれど、この作品はギドクの悪臭少なめ、麺やわらかめ。
とんこつで臭くないやつみたいな。
だから癖のあるギドク好きはブーイングかも。
私としては弓とか魚女の方が気持ち悪くて良かったけど。笑

春夏まではワクワクさせられたけど、
秋から少しテンポが早いように感じた。
というか、色々盛り込んだ感があって、
もう少しシンプルにスローな感じでも良かった気がする。そこはきっとギドクの若さなのだろう。
テーマが壮大なだけに、短いとチープに感じてしまう。

話としては無理やり綺麗にまとめた?まとまっていた。日本昔話っぽい。原作あるぽいね。どうだろね。

韓国語の般若心経を聞ける。
眠り猫のオマージュや、自殺の時の「閉閉閉」を目や耳に貼って見ざる聞かざる言わざるを表現したり、遺骨を滝の氷に埋め込んだり、日本の影響をかなり感じた。

猫のしっぽを筆にするのは笑った。
手作りにしろ色は塗らない方が好みだったけれども。

あいかわらず、音楽や歌のセンスは抜群。
あの景色に四季をつけるのも頑張っていた。本当に四季のある場所だったら完璧だったなぁ。
韓国の冬は日本と比べられない位寒いだろうな。しかし、すごい自然だった。
おきゃん

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