社会に失望した主人公沖田(高倉健)が、仲間らと新幹線爆破予告で身代金を要求するが、自分も仲間も死ぬ話である。
速さが売りの新幹線でスピードスピードが落ちると爆破する仕掛けは、この映画が元祖になっているようだ。
どちらの事情も身につまされるので犯人側も国鉄側も応援したくなるのが好きなところ。
高倉健の死が切ないのはもちろんのこと、自分が捕まると健さんも捕まると危惧してダイナマイトで死んでしまう。何でだよ…と膝から崩れ落ちそうになる。
国鉄側の宇津井健も組織の論理と自分がよいと思うことに板挟みにあっていて、こちらまで苦悶してしまう。
パニックになってハラハラする場面もよいのだけれど、私はどちらの気持ちも分かることや自己犠牲的な行動の方に惹かれた。