ラスコーリニコフ

ブラッド・ダイヤモンドのラスコーリニコフのネタバレレビュー・内容・結末

ブラッド・ダイヤモンド(2006年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ダイヤモンド取引にまつわる闇を暴く名作。シエラレオネは内戦状態にあり、拉致・強制労働、少年兵、政府の腐敗、ダイヤモンドと武器の交換など、This is Africaなカオスにあった。偶然100カラットのピンク・ダイヤモンドが見つかったことから、物語は動いていくが、この過程で記者に遭うのはフィクションという感じもある。ただ、広告の招く過剰な消費意欲や、消費される内戦記事など、アフリカ外の人々(観客たち)の責任を描くためには必要な仕掛けであった。最後、主人公は命をかけて家族を守りつつ、ダイヤモンド商社の悪事を暴くことになったが、現実的には流れ弾で死んでもおかしくない場面ばかりであり、やはりここにもフィクションの臭いがある。ただ、それでよいのである。この映画に込められた強烈なメッセージに比べれば、この程度のご都合主義は小さなことだ。