ハナカズキ

ブラッド・ダイヤモンドのハナカズキのレビュー・感想・評価

ブラッド・ダイヤモンド(2006年製作の映画)
4.1
骨太で見応えのある社会派ドラマの秀作でした。

この映画はダイヤモンドの採掘権を巡り、アフリカのシエラレオネ共和国で繰り広げられた内戦を舞台にした映画です。

ダイヤモンド密輸業者の男。武装グループによる強制労働から脱出し家族を探す漁師。不正を暴こうとする女性ジャーナリスト。それぞれの目的が交錯し物語が展開していきます。

この映画ではRUFという反政府武装集団による一般市民への暴行や拉致、強制労働が描かれていて、そして何よりも子どもを少年兵へと育てていく様子にショックを受けました。

また、ダイヤモンドの密輸業者の存在。ダイヤが大量に市場に出てしまうと値崩れしてしまう。流通量をコントロールし価値を高めるために、RUFからダイヤモンドを買い占めて市場への流通量を調整しているダイヤモンド業者の存在。

要は自分達の利益のためにこの武装集団(RUF)にお金を流していくという構図のようです。そのお金でRUFが武器を買い、内戦が長引き、現地の人々が苦しもうとも。

アフリカから遠く遠く離れた先進国で、経済的に余裕のある人々の、言わば自己満足のために売買されるダイヤモンドのために、ダイヤモンドとは無縁の何千もの人々が命を落とし、何百万もの難民が生まれたという事実に愕然としました。

ストーリーそのものもアクションシーンなど非常に見応えがある上に、今まで自分が全く知らなかったアフリカでのことやダイヤモンド売買について問題提起しており、非常に意義のある秀作でした。

私自身今後もし高価なアクセサリーを買う機会があっても、ダイヤモンドは買わないでしょう。誕生石ですけど。

TIA。This Is Africa.
この言葉が重くのしかかります。
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