そして、ラウラ・ベッティの歌う幼い頃の思い出の曲「ディンディンディンディン」の調べが、赤シャツの男たちの歌う「ラ・マルセイエーズ」と対置され、さらにはモリコーネらしい主題曲『Rabbia e tarantella』のリズムに合わせてステップを踏む男たちの姿は、ユートピアへのステップであるとともに、祭りが終わったあとのポスト・ユートピアの時代に現れる亡霊のステップでもあるわけだ。
ちなみに、この『Rabbia e tarantella』、タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』のラストシーンに見事に引用されている。 https://www.youtube.com/watch?v=FNcxj54qtyk
○タイトルの「アロンサンファン Allonsanfan 」は、登場人物の名前でもあるけれど、もともとはフランス語の Allons enfants であり、これは「ラ・マルセイエーズ」の冒頭の一節「 Allons enfants de la Patrie」(立ち上がれ、祖国の子らよ)だ。