すー

月に囚われた男のすーのネタバレレビュー・内容・結末

月に囚われた男(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

メモ:
主演のサム・ロックウェル見ててなんかゲイリー・オールドマンみがあるなあと思ってたら、以前のジョジョラビットのレビューにも同じこと書いてた笑

やー…いい映画だった。
クローン。オリジナルの記憶を引き継いだ人間は、オリジナルと同一人物と言えるだろうか。全く違うジャンルの映画を見るつもりだったのに、先日見た「オキシジェン」が似たようなテーマを扱っていた。偶然。
このテーマの扱い方、見せ方としては今作の方が断然好みだった。

この映画って途中で主人公が別人物に交代してるんですよね。映画の最初に僕たちが見てたサムは途中で死んじゃう。
見てる方からしたらどっちもサム。見た目も同じだし蘇生前の記憶も同一。第三者目線ではどちらもサムだから、サムAからサムBに世代交代したくらいの気持ちなんだけど。
一人称視点で考えると全く違う。
サムAが「おれ」って思う「おれ」は今このクオリアを体験し、色んなことを感じてる「おれ」であって、サムBではない。
この感覚を強く意識させる作りになってた。だから地球に行って娘に会うのが「おれ」じゃなくて「お前」みたいなセリフまわしがあったり。考えると泣けるよね…。
娘からしたらどっちのサムが来たって「パパのクローンが来た」って思うんだろうけどね。でも違う人間なんだよ2人は。

月で産まれて地球には1度も行ったことない主人公が地球に『帰りたい』と泣く。。。
他人の記憶を植え付けられるってのは残酷なことだよなあ。自分がいるはずの居場所に帰っても自分のオリジナルがそこに座ってて、その場所には座れないっていうつらさ。
分かってても帰りたいね。その場所に。
すー

すー