エソラゴト

月に囚われた男のエソラゴトのレビュー・感想・評価

月に囚われた男(2009年製作の映画)
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SF + サスペンス + スリラー

居住地域内でのほぼ密室劇、主人公サム・ベル役のサム・ロックウェルのほぼ1人芝居ー。

静かな語り口と印象的な旋律の音楽で物語は淡々と進む。宇宙空間での孤独感と閉塞感に苛まれた男の妄想と狂気を描いたよくある在り来たりなSF作品かと思いきや、ストーリーは意外な展開に…。

自分が一体何者なのかといったアイデンティティを探る同じSFの古典的作品『ブレードランナー』を個人的には想起した。

しかし何故あそこまでAIのガーティはサムに献身的だったのか?サム自身からのそんな問いかけにもきちんと彼は彼なりの回答はしているものの、雇い主の企業側のプログラミングで動いているはずなので疑問に残る…。

何年間もサムと苦楽を共にした「情」という作用がAIにも芽生えたのか、それとも…?