kuu

バタフライ・キスのkuuのレビュー・感想・評価

バタフライ・キス(1995年製作の映画)
3.8
『バタフライ・キス』
原題Butterfly Kiss.
製作年1995年。上映時間85分。
マイケル・ウィンターボトム監督の長編デビュー作英国作品。
全身ピアスと刺青だらけの娘ユーニスは、ジュディスという女を探し求めて街道沿いのガソリンスタンドを訪ね歩いている。
そして店員がジュディスではないことを知ると殺してしまう。
やがて彼女は、あるガソリンスタンドで働くミリアムという娘に出会う。
ミリアムはユーニスに恋心を抱き、彼女の後を追う。。。

ビョーク、
P・J・ハーヴェイ、
ザ・クランベリーズのドロレス・オリオーダンとか、
90年代に駆け抜けた女性シンガーの声を中心にすえ、二人の女のロードムーヴィーっすね。
舞台は英国。
荒涼とした風景の中で奇妙な愛で結ばれたユーニス (アマンダ・プラマー)とミリアム(サス キア・リーヴス)の物語。
年老いた母ちゃんの世話に追われるミリアム。
ある時、彼女が勤めるガソスタにやってきたユーニスに不思議な予感を覚え、彼女を追う。 
ジュディスちゅう女性を探すユーニスは体中にチェーンを巻きつけ、行く先々で殺人を犯すふぁ~。
解放的な米国のロードムーヴィーとは異なり、二人の女性の内面をじっくり見つめた心理映画っすわ。
世間からはずれたところでひっそりと 生きる女たちのギリギリチョップの心に迫ってるし、ヨーロッパ的な重さもありました。
そないな女子たちの心理が女性シンガーの歌で綴られるから音楽好きにはたまらんかな。
クライマックスじゃ、
ザ・クランベリーズの『ノー・ニード・トゥ・アーギュ』が静かな余韻を残すけど、英国の監督マイケル・ウィンターボトムはこの曲にインスパイアされて、映画の構成を考えていったそうっす。
まぁ、お世辞にもパァッと明るくウキウキヒューって楽しい映画じゃないけい、むしろ重苦しい映画やし、
また、ユーニスとミリアムの関係は、百合っぽい。
映画の受け取り方は人それぞれやけど、映画から感じ取れるのは自己犠牲の上に成り立つ究極の愛情ONLY。
ロックを文学的に解釈してみせる英国の実力派、ウィンターボトムの才気がバリ光る作品でした。
kuu

kuu