タカシサトウ

崖の上のポニョのタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

崖の上のポニョ(2008年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

[ファンタジー全開か]

 ここでは、ほとんどファンタジーの世界が展開される。筋が通っているような、通っていないような。矛盾があるような、気にならないような。

 金魚に水道水を入れてしまってもポニョ(奈良柚莉愛)が死なない所や、母リサ(山口智子)(合ってない)が、子供宗介(土井洋輝)を嵐の中で家に置き去りにする所は、町山智浩や宇多丸が指摘しているように、矛盾があるけれども。

 監督インタビューを読むと、水道水の所は、彼もスタッフも、おかしいとは知りつつ、そうしたらしい。置き去りも多分そうで、流れからそうなっているのだろう。

 ポニョの父フジモト:元人間(所ジョージ)と、母グランマンマーレ:女神だけれどアンコウ(天海祐希)がなぜ結婚したのも全く分からない。でも、グランマンマーレは、男性を飲み込む母性のようだし、監督によると、フジモトは女性に永遠に苦しめられる男性像だそうで、女性が男性を取り込んで行くということなのだろう。

 ラストで、クライマックスが無くポニョが正式に人間になれる所にたどり着いたのが、あっけなく、そこはついて行けなかった。けれども、それ以外は、何となくファンタジーに乗れて最後まで行った。微妙な所が多いが、全体的にはそれ程気にせず観終わる。

 私が良かったのは、洪水で街が水に沈み、被害が無いのは確かにありえないけれども。それでも、古代魚が泳ぎ回る事や、底の風景を見ながら、宗介とポニョがボートで進む所が最も気持ちが良かった。

 この映画も劇場に観に行ってきょとんとなったが、今回は、何とかそれなりに観れた感じ(2021.5.9)。