セキ

ガンモのセキのレビュー・感想・評価

ガンモ(1997年製作の映画)
4.2
ある街に住む人間たちの生活を描く作品だけど、彼らは皆んな停滞している。まどろみ、夢心地な世界はとてもグロテスクに映る。
前に進もうとする人間はこの街からこの世界から姿を消す。進まない人間たちは意味もなく金を稼ぎ、猫を殺し、仲間と戯れ、セックスをする。常に彼らの周りには気持ちの悪い生温い風が吹いていて、いつ死んだっておかしくないような、そんな場所にただ存在している。映画の中で幾度となく殺される猫と同じだと思った。大量発生してしまった猫のように、停滞した人間たちは途方もなく彷徨う。こんなに怖いことはないと思った。
個人的には、スキンヘッド兄弟が戯れて殴り合うところが、高校時代にのさばっていたスポーツ専攻の人間たちを思い出して気持ち悪くなって、好きだった。あとは風呂場でナポリタン食うところ。ピンボケが割とあったのが気になった。
『エレファント』のような居心地の悪さを感じた。『mid90's』はこれからも影響を受けているのかな。
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