けんたろう

フォーエヴァー・モーツアルトのけんたろうのレビュー・感想・評価

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何がモオツアルトなのかもよく判らないおはなし。


幾つかの物語りが出鱈目に継ぎ接ぎせられたやうな印象を受く。
たゞ、作品の背骨には一つのテエマが確乎として流れてゐたやう思ふ。詰まるところ、己が表現のうまくゆかない悲しさと歯痒さと悩ましさとが有るやうな気が致した。
そして其の描き方はといへば、(飽くまで私しに取つての)ザ・ゴダアルである。残酷で然し滑稽──かと思ひきや何処か切ない。ザ・ゴダアルである。

と、色々と述べてきはしたが、──さてさつぱり判らない。戦争、文学、音楽に就く手前の勉強不足が為めに、コンテクストを全く把握できてゐなかつたといふのも有つたらう。兎角さつぱり判らない。
たゞ、最近はもう此れでも好い気がしてゐる。だいたい、何んでも彼んでも判らうとしてしまふのがいけない。中途半端に知性を持ちたるが故の性なんであらうが、映画は判るものなんかぢやあるまい。ひとまづ論理だの何んだのいふものは糞喰らへである。
さて、言ひ訳もちやんと書きをへたので、そろそろ仕舞ひとさせていたゞかう。