otomisan

memoのotomisanのレビュー・感想・評価

memo(2008年製作の映画)
4.0
 死期を悟った叔父さんが死に際を知らせに来たのか?あれだけあからさま佐藤二朗的にびょうきだと心配する気も失せてしまいそうだったんだが。そんな叔父さんが英恵の気鬱を払ってくれるのだろうか。
 メモ書き症にこの木なんの木症が加わってやまい膏肓とも映る英恵が、どうせ周りのみんなも少しづつ病的風なわけなんだがいっぱし面で普通ぶっている中、同じ地平に降り立ちゃあしねえよ的に病にドライブが掛かるのか、病の根っこに廻し蹴りをかますのか...とか思ったらどうなんだろうね?
 そんな中、英恵に淋病を告る窓際すみっ子の明るい口調が反って病の重さ鋭さの裏返しのように聞こえて落ち着かない。隣りのボーイにメモ病デビューを果たしてやや重を脱したかに見える英恵、コンドーム爆弾でチンケなガキ諸君も濡らせた英恵の、傍からは過激な日常入りにしか見えないだろうこれからの日々を想像すると、今度「人生とは」なんて思うのはいつ何時だろうかとか想像してしまう。
 はたしてすみっ子が性交依存か金稼ぎの先に何かあるか知れんし、それを弄る諸君、成り行きを楽しむ?諸君、ギャグの進化無しにテストにも向き合えない?諸君、ノンストップギャグを防波堤にするフルチャージ教師、分かりそうなもんだろうが「よろしく」のあいさつにハッとする緘黙ボーイ、みんな何がしか失調状態に違いあるまいが、奇妙にも正気な感じの奴はきっとみんな彼のように何事にも黙りこくっているのじゃないかと思わせる辺り、どんな目立っちゃヤバイ世界に住んでるつもりなのか、佐藤二朗的不安の根っこが伸びてるような気がしてならない。
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