Maoryu002

マーティのMaoryu002のレビュー・感想・評価

マーティ(1955年製作の映画)
4.0
1950年頃のニューヨークの人々の暮らしと、普遍的な親子関係、男女の出会いを描いた作品。

34歳、母親と暮らす独身男マーティはまわりに結婚を急かされるも、なかなか相手が見つからない。ある日、ダンスホールで男にひどい扱いを受けた高校教師と出会い恋に落ちる。
しかし、早く結婚しろって言う割には、彼女を連れてくると「イタリア系じゃない」とか「美人じゃない」とか文句をつけて反対する母親の姿が笑えた。いつの時代も男の子の母親は変わらない。さらに独身同士の親友も追いていかれると焦って「あれはイモだ」なんて彼女の悪口を言うあたりも、どこかで見たような風景だ。
そんな様々な「依存」から解き放たれてマーティは自分の人生をつかんでいく。

たいした事件は起きないが、身内の揉め事やグチも含めて、人間味が溢れる会話がたくさんで、観ていてとても心地良かった。
全く派手さはないが、そんな身近で生活感あふれた内容が評価されて、アカデミー賞で作品、監督、主演男優、脚色を受賞している。

「地上より永遠に」での悪役のイメージだったアーネスト・ボーグナインが、なんだか可愛い独身男を演じている。すぐ泣いちゃうあたり、誰しも応援したくなるキャラクターを作り上げられたことも、この映画の成功の要因だろう。
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