広島カップ

マーティの広島カップのレビュー・感想・評価

マーティ(1955年製作の映画)
4.0
34歳の男と29歳の女、恋愛に慣れてなくて奥手の二人の出色の恋物語。
偶然の出会い系物語でのキス慣れした美男美女による夢のようなラブストーリー、例えば『ノッティングヒルの恋人』(1999)なんかには飽きてしまった、あるいはそんな非現実的な恋バナなんかウソ臭くて嫌いという方には強くお勧めしたい。

肉屋で真面目に働き母親の面倒も良くみている正直だが自分に自信がなく恋愛下手な男マーティを演ったアーネスト・ボーグナイン。
学校で科学を教えている恋に臆病で地味〜な先生を演じた、本作以外にはその名を知らなかったけど声がどことなくオードリー・ヘップバーンに似ているベッツィ・ブレア。
二人の演じたぎこちない恋愛模様は私も含めて奥手の皆様には心から祝福できる内容ではないでしょうか。
異性を恋する事が不得手の観客にとってはある意味夢のようなストーリーでした。

『ワイルドバンチ』(1969)『ウィラード』(1971)『北国の帝王』(1943)などギョロ目ギョロギョロの厳ついボーグナインしか知らない方にとって本作のボーグナインの優しい眼差しはとても新鮮に映ると思います。オスカー受賞も納得、というかこんなに地味〜なキャラクターによくも主演男優賞が来たなと嬉しい気持ちになります。

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