円柱野郎

マーティの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

マーティ(1955年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

自分の容姿に自信を持てない主人公は34歳になっても独り身だった。
そんな彼がダンスホールで似た境遇にある女性と出会う。

結婚を弟や妹に先を越されてしまった主人公に思わず共感してしまうけど、その主人公が周囲の人から「弟にまで先を越されるなんて!恥を知りなさい!」と罵られる場面が印象に残る。
そういう価値観の時代だったんだろうけど、そこまで言われるのかw

とにかく主人公は人として“良い奴”というのがにじみ出ているけど、それを演じるのが強面のアーネスト・ボーグナインだというのが等身大な印象で良いね。
これがなまじ二枚目俳優だったら話に説得力がないもの。
でも当時の映画界にとって非二枚目が主人公というのも珍しかったのではないかなあ?

観客から見れば主人公とヒロインにはくっついてもらいたいのだけど、主人公の周囲はヒロインと付き合うことに不快感を示す。
主人公はその意見に流されそうになりながらも、最後は自分の気持ちに正直に突き進む…というお話。
まさにそこでエンディングになるので、恋愛映画としては“ここからじゃないか!”な話でもある。でもそこまでに至る主人公の感情や、核家族化という社会や時代の流れみたいなものがこの映画の主題だから、これはこれで先を想像させてくれて悪くないかな。
まあ少々諄い思う演出もあるけど、なんだか他人事ではない(w)感じもして思わず主人公を応援してしまいました。
円柱野郎

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