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海の牙のmhのレビュー・感想・評価

海の牙(1946年製作の映画)
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1946年制作のルネクレマンの潜水艦もの。
ドイツの潜水艦(Uボートとは言ってない)に乗り合わせた、多様なひとたちのクローズドサークルものにもなっている。
拉致られた医者が主人公。事情を知りすぎてしまったため殺されるだろうから逃げたいけどここは潜水艦の中という状況。
そこに飛び込んでくる、総統死亡のニュース。
そっからが現代のエンタメも顔負けの急展開サスペンス。
徹底抗戦を目論むイカれた将軍とか、キャラ立ちすぎて笑っちゃう。
仲間の船を魚雷で沈めるプロットがいいよね。
原題直訳だと「呪われたひとびと」とか「地獄に落ちたひとたち」とかそんな感じらしい。
映画の締めくくりは、この手記にどんなタイトルつけるんだいとの問いでそれを受けてのセリフがタイトルでかっこいい。
なんだけど日本語字幕版はそこに邦題ぶっ込んでくるんで、いきなり「海の牙」とかいいだす主人公が空気読めないキャラになってしまった。
こういう邦題はもうホントやめよ?
ちなみに、VHS版のタイトルは「潜艦 海の牙」となっている。
字幕はDVDとまったく同じ。「ここは閨房じゃない」とか、時代を感じる翻訳だった。
潜水艦ものの規定演技、「狭い艦内をこちらに向かってくる一団をワンカットで移動撮影」をもうやっててびっくりした。
さすがにこれがいちばん最初かな。
潜水艦ものにハズレなしとの言い伝えを体現したかのような映画だった。
面白かった。
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