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海の牙のtakのレビュー・感想・評価

海の牙(1946年製作の映画)
3.6
全編に漂う緊張感。潜水艦という閉鎖的な空間で繰り広げられる心理劇は良質の舞台劇のようだ。潜水艦もの映画はハズレが少ない印象がある。限られた舞台でいかに話をつないで盛り上げるかで、様々な工夫をするからなんだろう。この映画も然り。

WW2の終結直前、ドイツ軍の将校や重要人物を南米に送り届けることを任務とするUボート。ドイツ軍将校、その愛人と夫、ゲシュタポ、拉致された他国の人それぞれの思いがぶつかり合う。

裏切った諜報員を殺すシーンでは、殺人を直接見せない間接的な演出がいい。次第に主人公のフランス人医師に死が迫るサスペンス演出が見事。直接的な描写はないのに引き込まれる。
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