スラップスティックコメディ、なんて言われるとよく分からないが要するにドタバタ喜劇だ。それを2時間半もやるもんだからいよいよドタバタし過ぎてとんでもないことになっている。
最近は予算の都合もあるだろうがバラエティ番組も大人しいものが多い。ひと昔前は火薬をたくさん使ってたりともう少し派手だった。ただ、笑いの為に危険な目に遭うことと笑いの為に危険なことをするのは似ているようで違う。
「偉大なる無表情」バスター・キートンが面白いのは単に彼が演じるキャラクターがいつもちょっぴり抜けているからだ。そんなちょっぴり抜けた人たちが35万ドルをめぐり競い合っていく。もちろん観ているこっちは可笑しくても当人たちは真剣そのもの、大金に目の色を変え大真面目だ。だからこそ最後のシーンが素晴らしい。