Dio

最強のふたりのDioのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
3.5
んー難しい。
楽しかったしのめり込んだけど、なんだろうこの歯がゆさは。

二人の友情の形は素敵だと思うし、ドリスの障害に対して同情のない姿勢が気楽な時もあるとは思うんだけど、なんとなーく仄かに自虐的な臭いというかなんというか。
覇者になるように生まれ育てられてきた人間があのように体を動かせなくなるということは死よりも辛いこともあるだろう、それらを勘案すると僕にはフィリップに助言した弁護士の気持ちが良くわかる、あれは自虐的な行動に見えた。

もちろんドリスの魅力は良くわかる。救われる人もいるだろう。
ただ窺った見方をすればドリスの再三繰り返されるジョークやブラックユーモア、それらはフィリップにた対して痛みを伴うものであり、そしてその痛みこそが同時に悦びでもあるように見える。
つまり自虐的で自暴的。

ただしこれは途中までの話。
どこか明言出来ないけど、なんとなく関係に変化を感じた。
自虐的な悦びではなく、単純なユーモアからくる喜び。なんだろう、どこだろう。
印象に残っているのはドリスがフィリップの娘に対して躾をし直すように直訴しているシーンだろうか。
フィリップが娘を説教した時、何かが変わった、気がする。
多分フィリップは喪失感のみを見てきたけど、彼にはまだ残された家族がいることにようやく気づいた、といったところか。あっさりしたシーンだったし深読みし過ぎな気もするけど、あのあとからようやく安心して「最強のふたり」として見れるようになった気がする。

今回は「気がする」ばかりで良くわからない感想になってしまったので、ここら辺で思考を止めてしまい、考えを熟成させることにします。

13th Feb. 2016
Dio

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