ayn

最強のふたりのaynのネタバレレビュー・内容・結末

最強のふたり(2011年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ドリスの下品・差別的な言動を咎めることはなく、ドリスの意見や好きな歌、モノなども受け入れるフィリップの姿が印象的だった。コテコテの作品だったら、あそこで説教をされて、最初は受け入れられないもののとある出来事をきっかけにその説教の意味を知り、改心…みたいになるところ、そうじゃなかったのが良い意味で想定外だった。
ドリスの言動は倫理的に許されないものが多かったけれど、「もう満足か?」みたいに否定ではなく「早く終わらせてくれる?」というニュアンスで辞めさせていたフィリップのあの余裕感…自分にはできない(お金持ちになるとああなれるのかな)ので、カッコいいなと思ったり。
フィリップが日常に刺激を求めていた、と言ってしまえばそれで終わりだが、互いの世界を見せ合いながら仲良くなる過程が見ていて微笑ましかった(絶対にやらない、と言い張っていた大便処理の作業も最終的にやっていた)。フィリップの世界を見て、自然と教養を身につけたドリスが社会で働き出すところはベタっちゃベタだけど好きだった。超矯正されて教養マンです!っていうよりは、ドリスの中に教養が心地よく織り交ぜられた姿になったように見えたのが好きだった。フィリップも最終的にドリスの大胆不敵な行動にのせられて文通相手と会っていたのも、同じ理由で良かったな、と。
互いの馴染みのある音楽で交流するシーンも好きだった。(フィリップはドリスに教養として知ってもらう意図もあって有名なクラシックをたくさん出していたんだろうか?)ドリスのダンスで周囲を巻き込み、一転して明るい雰囲気にして、「誕生日なんだから踊ろうぜ!」って言うところが最高。自分の好きなものを披露して「最高でしょ?!」ってできる人ってそう多くない(かつ私はなかなかできないと思ってる)ので、あそこはドリスの魅力が出ている場面だったと思う。

途中で盗み、最後に返したあの卵には何か特別な意味が付与されていたんだろうか(暗示?とか)。時間があったら調べてみよう。
ayn

ayn