寝るのだいじ

最強のふたりの寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

最強のふたり(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

金持ちな身体障害者と、前科持ち介護者の友情の話。実話。

芸術や音楽などフィリップの金があるからこその趣味と、型破りな若者文化を好むドリスが、それぞれの趣味嗜好を尊重したからこそ、良い刺激になり得た素敵な事例だった。
なんでも行動に移そうとするドリスパワーで、一度の事故で身体麻痺したなどの悲しみを背負うフィリップは救われていた。しかしドリスもまた暗い事情を持ち、それでも前向きに楽しい方向にしていくのがすごかった。

ドリスの面倒見の良さ、見習いたいな。
ドリスはスポーツカーがあったことで、フィリップが本当はカッコいいことが好きなことに気づいていたり、フィリップはドリスが「俗に言う身障者」を俗的に笑うだけで本心では対等に接しているのを見抜いていたり、最初からすごかったな。

フィリップが最初の女性との会食で、約束の時間前に飛び出してしまったのは、身障者で幻滅されるだろうという不安に押し潰されたから。それを察して迎えに行くドリスの相手を慮る姿が、本物の友情だなと感心した。

無知ゆえにバカにしたり下品なことを言う人に、忍耐強く接して節度を教えていたフィリップもまた人格者だった。
歳を重ねるごとに経験値から臆病になるが、それをドリスが壊して、知識を与えて心を豊かにさせたのがフィリップで、こんな関係性に出逢えたらなんて幸せなんだろうと羨ましい気持ちになった。