みーちゃん

未来世紀ブラジルのみーちゃんのレビュー・感想・評価

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)
4.3
午前10時の映画祭。久々に観て良かったー。観る前は、昔よりスコアが下がるかも、なんて思ってた(昔は難しく考えたり、斜に構えて見てたのかもしれない)。今回は、初めてのスクリーン鑑賞ということもあり、頭を空っぽにして、真正面から見たら、素直におもしろかった。

多くの場面を(特にビジュアル面)覚えていて、自分でも驚いた。そして改めてインパクトの強さを実感し、前より好きになった。って言うか、ほぼ褒めポイントしか浮かばない。ロバート・デ・ニーロのシーンの面白さも、意味も、タイミングも、昔観た時より好い。

ジルの美女ぶりは、いつの時代も変わらないが、サムは弱々しいダメ男の印象だった。本当はこんなに一途で熱い、熱苦しい、いい男だったのね。
(グレーのロングコートの丈感や、ギャップの魅力を作り出すジルのワイルド系コーデは勿論、一見奇抜なマダムの頭からつま先までの衣裳も完璧。今でも古く感じないのがその証拠。デザイナー:ジェームズ・アシュソン)

あと、感動したのはエンドロール。スクリーンでしか味わえないロケーションの迫力と、一人の人間の存在。この異常で残酷な対比が強烈。そして、昇天するクレジットの文字の色とグラデーションのセンスの良さ!

この世界観を、もう少し感じていたいし、"Aquarela do Brasil"をもっと聴いていたいから、このまま何回かリピートしてからフェードアウトして欲しい。と思いきや、案外潔く終わった。余韻に浸り切らせずに劇場の席を立たされたような気がして、さすが!と思った。