Kumonohate

大当り狸御殿のKumonohateのレビュー・感想・評価

大当り狸御殿(1958年製作の映画)
4.2
大きくなったら狸御殿評論家になろうと思うくらい私は狸御殿モノが大好きである。本作は、それまでは大映版が殆どで松竹版が1作だけ作られていた狸御殿映画の、初の東宝(宝塚映画)版。狸の国のお姫様(雪村いづみ)と隣国の狸若君(美空ひばり)を中心に展開されるお馴染みのストーリーをもとにしたミュージカル・コメディー。白川由美・淡路恵子・有島一郎・左卜全・千石規子・ミヤコ蝶々・南都雄二・佐原健二・河内桃子といった賑々しい顔ぶれからも想像できる通り、戦前の高山広子(大映)版や本作の翌年に公開された若尾文子(大映)版に負けず劣らず、実に彩り鮮やかである。一応、時代劇ではあるが、何せ狸の世界の物語なので、時代考証もへったくれも無く、ビキニのカリビアン・ダンスや網タイツのセクシー・ダンスが突然始まったり、御殿の庭の植物が熱帯だったりと、見ていてとても楽しい。1958年の作品であるが、今よりよっぽど自由なんじゃないかと思う。お正月映画はこうでなくっちゃいけない。
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