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夜になるまえにのEegikのネタバレレビュー・内容・結末

夜になるまえに(2000年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます


レイナルド・アレナスは、今のところ自分がいちばん好きな海外作家に挙げる人物。『夜明け前のセレスティーノ』の衝撃は忘れられない。
祝!『真っ白いスカンクたちの館』邦訳!!

2年ほど前に実家の近所のTSUTAYAの中古買い切りコーナーで偶然見つけたので買っておいたのを、昨日、原作読了したのでようやく観れた。

原作の自伝を読んでいても、何が何だかわからない狂騒的な部分はあったが、それを2時間映画に凝縮しないといけないぶん余計に説明不足で、これをいきなり観たひとはワケわかんないだろうな……と思った。

もともとはカストロ政権の抑圧的な体制を告発・批判する書としての佇まいが色濃かったが、こちらの映画ではレイナルド・アレナスという一人物の短く激しい生のラフスケッチであり、終盤はラサロとの男同士の絆に焦点が当てられていた。映画映えするように。

てか、アメリカ制作なんだ!……そりゃそうか……
でもてっきりスペイン語映画だと思ってたのでガッカリ感は否めない。独白や朗読パートではスペイン語を使っていて、英語とスペイン語の奇妙な同居となっていた。これは偏見だろうけど、かなりアメリカナイズされていて、最終的に亡命地アメリカ/ニューヨークで絶望して自死した当人のことを思うとなんとも……

気球のシーンとか原作にあったっけ。昨日まで読んでたのにもう覚えてない。あのへんカオス過ぎてやばかったからな……

独房が想定の1/10くらいの狭さで恐ろしかった。

監獄で手紙の代筆を請け負うくだりとか、そういういかにも映画映えしそうな印象的なエピソードだけを強調して並べている感じがあまり受け入れられない。

同性愛の描写もあったにはあったが、所詮大衆映画にのせられるレベルであり、ところかまわずヤリまくっている原作には遠く及ばない。

ジョニー・デップのゲスト出演(二役!)
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