MAKOTO

夜になるまえにのMAKOTOのレビュー・感想・評価

夜になるまえに(2000年製作の映画)
3.5
同性愛者であった為に迫害されてしまう、幼い頃から天性の才能を持った小説家・レイの壮絶な人生を描いた映画。

ところどころの妄想というか、現実と違う語り小説な部分は多分、職業病みたいなモノですよね。どんな状況だろうと、ふいにネタが出てきて頭の中で小説文章がグルグルまわってしまう。ちょっと経験あるので分かる、そういうの。元々彼は天性の小説家だから余計そうっぽい。

どれだけ良いものを書いてもたった一つのことだけで、小説は認められても、人間としては認められない人生になってしまった彼は、本当に可哀想でした。
でもそんな中、『書く』という事だけは決して止めようとしなかった彼の姿は感動。そして彼を差別しないで、彼の才能に惚れてずっと支えてくれた人達が居てくれたのが彼にとって唯一の心の支えだったのだと思います。
現代でもこのような偏見はありますが、もうすこし違う時代に産まれてきていれば彼も小説家として大成出来たんじゃないかな……と思う切なく悲しい、色々な方面で考えさせられる作品。
いつ、どんな状況でもとにかく書き続けるレイの壮絶な人生を、ハビエル・バルデムが素晴らしい演技で表現していました。

この作品でジョニー・デップは2役演じており、
1役は運び屋ドラァグ・クイーンのボンボン、もう1役は収容所軍人のビクトル中尉をやってます。
どちらもほんのちょっとしか出て来ないんですけれども、出て来ただけでものすごい強烈でした。
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