ゆう

HANA-BIのゆうのレビュー・感想・評価

HANA-BI(1997年製作の映画)
4.8
風邪で会社休んでだいぶよくなったとはいえ少し頭がぼーっとする中でゆっくり見つめ直す特別休暇の最終日には持って来いだった。

学生時代に写真を教えてくれた先生が言ってたんだけど花を撮り出したら人は死に向かっているんだと。

メイプルソープもヌードから花にいったし、ペンも後期の作品はSTIL LLIFE
あと旅に出て撮りだめていくんだ
(エルスケンも妻と後期に旅行写真を上げているんだよね)

あと花は手向けたり、花を写生すると全て自分に反射するんだよね。
映画の嘘を使った切り返しが冴え渡っている北野武の映画で花ですらそういう被写体として身に纏い、尚且つ絵画として2次元として生まれ変わっていく想像力の源と大杉漣の切り返しはかなり強度が高いショットかと思う。

この作品の欠点は完成されすぎているところかな。
ソナチネの荒削りも確かに良いけど、ショットも撮れて、久石譲のくどい音楽もまぁ大衆向けになっていてそれなりに分かりやすく、構成バランスも良い。本編も2時間以内に収めているし、台詞も少ない。
これは売れるよね。


でも鐘が鳴れば、2匹の猫が等間隔で完璧な運動すら見せ、桜が挿入されたと思ったら、雪景色になりフリからボケ、ツッコミ、オチの円熟も見られ
インサートもアクションも全てショットの始まりからすでに始まっている、カット頭を切ってんじゃないかなと思うくらい。
凄い作り込まれていそうだけど、多分、過去インタビューを読むとそうでもないんでしょ。

5年振りに見直して前は満点付けたけど今はね、あまりに出来すぎていて5をつけ難いね。
ゆう

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