綺麗な死に方
初めて、たけしが良い奴を演じるのを見た。相変わらず悪人には容赦ないんだけど、口数は少なくとも相棒と奥さんに対する優しさが滲み出ていた。「ソナチネ」ほどのインパクトは無いけど、静かで上品ないい人間ドラマだった。
人生の岐路に立った時こそ、その人の本性が出る。この映画の1番の見所は、腹部を打たれたことで暫く車椅子生活となった堀部(大杉漣)の生き様。『絵でもやればいいんだろうけど、なんたって書いたことないし、絵の具とか高いだろうし』としない言い訳ばかり並べた彼に、ポイと道具を送り付ける西(ビートたけし)がまずカッコイイ。この歳になって没頭するものを見つけ、才能を開花していく堀部がまたカッコイイ。それでいて、その絵に込められた思いを汲み取ると、色々と考えさせられる。こんなに難しいテーマ、よく映像に出来るよな。ホントすごいや。
2024-28