あだくそ

アンネの追憶のあだくそのレビュー・感想・評価

アンネの追憶(2009年製作の映画)
3.5
過去と現在の切り替えが唐突だったり、シーンごとの余韻がなかったり、重い時代背景のわりにさらっと終わってしまった印象。
もっと時間をかけて、山場というか、印象的な場面を1つだけでいいから作ってほしかった。(髪を切られるシーンを長めにするとか…)
かなり期待を寄せていただけに、真新しく感じるシーンがあまりなくて残念。

あと、アンネのいい子感が強すぎて現実感がなかった。
殺されるかもしれない状況の中で、あんな行動は取れないのでは?
いまいちシリアスさに欠けていた。

とはいえ、「善と悪」「良心」というテーマはとても心に響いた。
無垢な子供たち、哲学の教師、教官。
普段「アンネの日記」では日の目を見ない登場人物たちが、ストーリーの一部になっていて良かった。

一人残された悲しみに暮れるだけではなく、自分の生き残った意味を模索する、オットーの熱演は素晴らしい!

そして、2回目の鑑賞で最後まで見るつもりは正直なかったのに、思わず魅入ってしまった、エンドロール!
映像も音楽も最高に好きでした。
ある種のパラレルワールドですね!
切ない…。

昨日まで裕福に幸せに生きてきた家族が、突然理不尽な迫害を受ける恐怖。
人間って恐ろしいと思うけど、助けたのもまた人間。

ホロコーストにますます興味が出てきたので、よく皆様の話に出る「シンドラーのリスト」も近々見たいなと思います。
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