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アンネの追憶のNMのレビュー・感想・評価

アンネの追憶(2009年製作の映画)
3.6
アンネとハネリが仲良くなるシーンから。
このハネリの記憶をもとに、アンネの日記を書いていたそれ以降の展開に、脚色を加えた作品。

印象的だったのはオランダのチューリップの話。これも脚色なのだろうか。(ちょうどチューリップバブルの最盛期らしいのでかなり高価な時期だったのでは。)
ともかく、共感を示す静かで賢い抵抗。
これを見て、現在のリボンバッジやヘルプ系のキーホルダー等の意味を新ためて感じた。それらをつけても別に通りがかりの人に呼び止められてお礼など言われないだろうが、ちらと視界に入るだけで少し勇気づけられている人がひそかにいるかもしれない。

アウシュヴィッツへ着くと音楽隊が演奏をしている。
彼らはユダヤ人で結成され、混乱が生じる時(この到着した時やガス室へ送られる時、収容所から強制労働所に行くときなど)に効率を上げるために、安全かのような誤解を起こさせたり、落ち着かせるために演奏させられたらしい。

子どもたちが16歳かどうか確認されるシーンがある。その様子からして当時ここではそれ以上は労働可能な青年とみなされ、それ以下は役に立たない子どもとみなされたのではないだろうか。
こういったことに特に説明がないのは、見れば大体分かるというのもあるが、そんなことは一般常識だから、という理由もあるのかもしれない。

女たちはまず丸裸にされ、シャワーを浴びる。男性監視もあり、髪の長いものは切られ、尊厳を奪われる。
彼女たちのシャワーは本当にシャワーだった。初老の男女たちがシャワーだと言われ入れられた部屋は、本当は違った。続いて子どもたちも。

捕虜となった哲学教師が、試験を控えた若いナチに教育することになるが土台無理な話。「秘密のコンパス」の話も良かった。道徳法則を身をもって証明したことが立派。

メモ
ナチのバッジシステム……我々より劣る人間という意味で逆三角形型が基本。例えば赤い三角形に: 「B」(ベルギー人)、「F」(フランス人)、「H」(オランダ人)、「I」(イタリア人)、その他マイノリティには全て付けられ、ユダヤ人には誰であろうと三角に更に三角を足したダビデ星が付けられた。複数該当する者は複数付けられた。
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