くじら

アンネの追憶のくじらのレビュー・感想・評価

アンネの追憶(2009年製作の映画)
3.4
 GYAOで字幕版で鑑賞。本編は全て英語なのでオランダにいるのかどこにいるのか少し分かりにくく感じた。
 作家を目指していた少女アンネと、その周囲の人たちの収容所での苦しみを描いていた。何故自分が生き残ったかを生き残ったアンネの父が自分に問うて、その体験をを語り継ぐことで証明していた。
 途中に何度か宗教や神、善の心について親衛隊に問うシーンがあったのが印象的だった。特に哲学者のユダヤ人に指導するよう命じた親衛隊員はその善問答のようなやり取りで、ドイツ人は善、ユダヤ人は悪という言葉を言いながら図星をつかれたように動揺するシーンは、アンネの父が講演で言った悪いことだと分かっていたのに〜という言葉に繋がるのかなと思った。
 印象的なシーンは、スターリングラードやその後の戦況を、戦争を続けて欲しくないドイツ人や殺戮されていくアンネたちの家族が戦争が終わると喜んでいたシーン。また、連行されるときにアンネの友人の父親がドイツ政府高官だったことや、アンネの父が第一次大戦でドイツ軍の少尉だったと言うシーン。20年ちょっと経った後にこんなに体勢や立場が変わってしまうこと、それを疑問に思う人もいただろうにどうしてこうなってしまったのかなど、これから学んでいきたいと思った。
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