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赤い砦の一人旅のレビュー・感想・評価

赤い砦(1955年製作の映画)
4.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
アンドレ・ド・トス監督作。

2020年に103歳で逝去した往年の名優:カーク・ダグラスが主演を務めた西部劇で、本作はダグラス自身が1947年に立ち上げた独立系の映画製作会社「Bryna Production」の第1回製作作品であります。

1870年代の北西部オレゴン州を舞台に、インディアンに友好的な主人公:ジョニー・ホークスが、インディアンの縄張りで採掘できる金塊を狙う強欲な白人一味によって仲間を殺されたインディアンがその復讐のために騎兵隊の砦を猛攻撃する中、インディアンを殺したあと行方が分からなくなっている白人一味を見つけ出し、彼らをインディアンの酋長に引き渡すことで怒りを鎮めてもらおうと奔走する姿を描いています。

いわゆるインディアン討伐型の西部劇ではなく、主人公がインディアンに対して理解があるパターンの西部劇で、強欲な一部の白人の身勝手な行為によって壊れかけたインディアンとの関係を修復することが主人公の最大の目的となっています。また、主人公と相思相愛となるインディアンの若い娘が、白人とインディアンの関係修復に一役買っていくというのもポイントで、基本的に敵対関係にある白人とインディアン双方から一人ずつ平和を願う者が登場していることになります。

最大の見せ場はインディアンの軍勢による砦襲撃シーンで、火矢を用いた総攻撃が迫力万点のスペクタクル映像を実現していますし、燃え盛る幌馬車で砦に突撃するという奇計も見ることができます。

主演のカーク・ダグラスが平和のために奔走する主人公を好演していて、インディアンの怒りの元凶となる強欲な白人をウォルター・マッソーが演じています。また、ヒロインとなるインディアンの若い娘役はイタリア人モデル:エルザ・マルティネリで、本作が映画デビューとなりました。
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