ともぞう

ひばりの三役 競艶雪之丞変化 後篇のともぞうのレビュー・感想・評価

3.1
最初に前編のあらすじを振り返ってくれるので、無理なく話に入っていける。最後はみんな死んで仇討ち成功。しかし、女子になんでこんなにモテるのかと思ったら、男性だと思ってたんだ。どう見ても美空ひばりは女にしか見えんけど。一番良かったのは阿部九洲男の悪人になり切った顔と演技。最高だった。

〈あらすじ〉
中村座の舞台に雪之丞の姿がやっと現れた。すでに闇太郎の姿は土間にあった。寄り添ったお初が「私の負けだよ」とささやいた。浪路の行方は判然しなかった。江戸市中では、飢饉のため米が出廻らず値も上っていた。今にも一揆を起しそうな、米問屋の前の群衆に闇太郎は三斎の家から持ち出した小判をまいた。捕方に追われた彼は橋上で乱闘の末、ある長屋に逃げこんだ。町人娘に身をやつした浪路は待女松ケ枝に発見され、逃げる途中、誤って川に落ちた。それを闇太郎と感違いしたお初と吉は舟を出して助け、自家へ連れ帰った。一松斎から策を受けた雪之丞は、楽屋を訪れた広海屋に一万石の米の投げ売りをするよう持ちかけた。広海屋はその日のうちに投げ売りを始めた。長崎屋は買い占めていた米の相場が下ったため破産した。礼を言いに来た広海屋のところへ長崎屋が現われ、二人は喧嘩を始めた。長崎時代の旧悪をぶちまけ合い、結局二人は雪之丞の前で相討ちし斬死した。仇の最初の二人は終った。お初の家を門倉と横山が訪れ、浪路を見つけた。門倉はお初にいどみかかり、闇太郎に斬殺された。逃げだした浪路を追いつめ手ごめにしようとした横山は彼女の懐剣に刺された。だが、深手を負った浪路は闇太郎に助けられ、お初の家へ戻った。虫の息で雪之丞の名を呼び続けた。お初の迎えで雪之丞が駈けつけ、その胸の中で浪路は死んだ。その夜、闇太郎は浪路の遺骸を三斎宅に運びこみ、彼女の死因を話し三斎を面罵した。翌日登城した三斉は永年の悪事が露見し閉門を命ぜられた。雪之丞は一松斎と共に、浪路のお悔みにと三斎宅を訪れ、一松斎、闇太郎の授けで三斎、浜川を倒し、父母の仇をうった。その雪之丞を中村座の観客が待っていた。
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