りょうすけ

ミツバチのささやきのりょうすけのネタバレレビュー・内容・結末

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「ミツバチのささやき」

寡作なことで有名なビクトル・エリセの新作が2月に公開されることもあり、初鑑賞してみたが、想像以上に難しい映画だった。先日鑑賞しセミフ・カプランオールの「蜂蜜」とちょっと重なるところがあるのだが、どちらも純粋無垢な子供ゆえの作品だと感じた。

スペインの歴史について知らないと理解できないところもあるそうだし、今回の午前十時の映画祭で上映された際には、町山智浩さんによる解説動画がついていたらしい。マジで、午前十時の映画祭が群馬で開催されていないことを恨む。

ジェームズ・ホエールの「フランケンシュタイン」を観てから主人公アナの中に宿る「死」に対しての感情。本作で取り上げられている「怪物と少女」のシーンに関しては、なんとなく覚えていたし、少女の父親が少女を抱えて歩くシーンも覚えている。

そのシーンと負傷した脱走兵とアナの関係性が対になっているのが非常に美しいなと思った。怪物は根は優しいのに、少女を殺した。自分と脱走兵の間にも優しさの関係があったのに、彼は死んだ。自分はあの怪物と同じ存在なのではないか。

ということを表したのが、アナが水面を覗いた時に映った姿が怪物だったというシーンに繋がるのではないかと。かなり邪推ではあるが、それくらいのことしか考えることができなかった。正直、当時の政治体制に対するメタファーとかは歴史を知らないとわからないしね…
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