TakumiToyama

ミツバチのささやきのTakumiToyamaのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
4.0
こんなに静かな映画は初めて観たかもしれない。
台詞も少なく、物語が大きく動くわけでもなく、長回しの撮影で映される人物の(たまにゾクっとさせるような)表情と、絵画並みに美しいカットを挟みながら、本当に淡々と進んでいく。
それでも、独裁政権下にあるスペインの陰鬱とした閉塞感が常に漂っていて、基本的には少女の童話的なお話なのに、(何度かある)死を連想させるような描写も相まって、妙な緊張感が持続していく。
そして大きなクライマックスもないまま終わるものの、観終わってみると少し解放的な気分になるという、上手く言葉に出来ないけど記憶に残る作品でした。
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