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ミツバチのささやきのbirichinaのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
5.0
童話ではなくおとぎ話タイプの作品で、暗喩されているものの意味を考えさせられる。

・主人公が深夜の森の中で毒キノコを口にするのではないかとドキッとした。
・娘が行方不明なのにバルコニーから娘の名前を叫ぶだけの母親ってどうなの?
・子ども時代に周りにあったワクワクする不思議な世界、ちょっと怖いけれど踏み込みたくなる世界(学校の帰りに廃屋へ行く、線路の音を聞く、深夜に家を抜け出す、焚火を飛び越えるetc.)、今の子どもにもあるのだろうかと考えてしまった。

・冒頭と最後のガラスの箱で飼われているミツバチに関するナレーション(よく覚えていないが、巣をガラス箱にするとミツバチの生態がよく見える的な内容だった)は、監視される社会に対する体制批判だろうで。当時のスペインの社会情勢を詳しくは知らないが、時代を経て世界の他の国にも当てはまる普遍的なメッセージとして受け取ることができると思った。

・この作品のキーワードはespiritu(=spirit)なんだろう。イザベルがアナにフランケンシュタインのことを説明する時にもこの言葉が使われていた。原題「El espiritu de la colmena」のcolmeraは①ハチの巣、②群衆 の意味がある。espirituには精神、霊、気質、真意などの意味があるので、「ミツバチの気質」「群衆の気質(または精神、真意)」などいろいろな意味を含むタイトルになっているんだと気づいた。(スペイン語は知らないのでネットで調べただけ)

あ~、あと3回くらい観たい!
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