ダイそん

ミツバチのささやきのダイそんのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
3.7
エリセデビューした。

最初は「映画フランケンシュタイン」の事ばかりで、"この映画はいつ始まるのか?"となったが、後半へ進むにつれ色々繋がってきて感激した。ずっと始まってた。

穏やかな陰影とアナの可愛さがずっと続くが、どこかヒリヒリして目を覆いたくもなる。(線路の音を聴くところ、子供の火遊び、姉とネコ、死んだフリ、、などなど)

スペイン内戦後のフランコ独裁政権下において、子供と大人がどのような価値観で暮らしていたかを切り取った歴史資料としても価値あるらしい。どこか登場人物全員の生死の境界線が曖昧な気がした。

アナは世界の真実に少し触れてしまって、それは異世界への入口のようでもあって、今後いろんなことに納得できない人生を歩みそう。その地平に自分も歩いているのかなーとか考えてしまって面白い。
ダイそん

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