寡黙の人、ビクトル・エリセのデビュー作。アナの印象が強くて、これがフランコ政権批判の映画だとは以前はまったく思わなかった。実はこの家族が当時のスペイン人の4つの象徴としてとらえられていたそう。アナはスペインの将来を担う希望だと。
ちなみにアナには演技指導をつけるというよりも、ほぼ素でやらせていたとインタビューで読んだ。カメラを意識させず、彼女の細やかな表情を丁寧に撮っている贅沢な演出はそのせいか。フランケンシュタインに会ったときの驚き方に納得。そしてこのジャケット写真の、あることに気づいたこの表情。
ある意味、すべてが奇跡の映画。