アトミ

ミツバチのささやきのアトミのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
2.0
40点

「人を殺すもの、殺人者【悪】」は「殺して(殺人して)も良い【善】」。

怪物、キノコ、兵士。
このテーマについてアナはまだ理解できない「幼い子供」という状態。

てかこの問題が理解出来る方が「問題」だ。
つまり、ある種アナの方が「逆に大人」であると言えてしまう。

その他の登場人物は言わば「思考停止状態」。
全体主義。その中で生きる人間。歯車。ミツバチ(働き蜂)、そのもの。

この「都合のいい善をすり込まれた状態。または諦めて生きる状態」を「大人」と指すのか、それについて「懐疑的」である柔軟な立場であることが「大人」なのか。

この監督は「後者であってほしい」というメッセージを発信してる。

日本人に分かりやすく言えば「死刑」がそれに当たるだろう。
つまり日本人は「思考停止状態の人間」という事になる。

「殺人はいけない」のであれば、「例外はなく、殺人は悪」とならなければならないのだが、「死刑」という「例外」を許している。

つまり「悪の概念をコントロールしてる」という事。
当然コレって「危険」マジで。
それに懐疑的でないのはもっと「危険」マジで。
魔女裁判、カルト宗教オウム、ナチス、当時のスペインのような状態と同じ。

もうこうなれば「個」なんて意味を持たない。
でもアナは「私はアナ」とハッキリと自分から「ささやける」のでしたとさ。

てかとりあえず
フランケンシュタインを観る生き生きとした眼は素晴らしい。
こんなの撮ろうと思っても撮れないシーン。

けど、多くのシーンが、大人に演技させられてる完全な死んだ眼になっている。
これでめちゃくちゃ覚める。
全体主義批判。自由。アイデンティティを隠喩してまで発信してる人間がやることかね?

「幼き少女を操り、監督の思惑にはめ込んだ映画」
つまりこの映画自体が「全体主義そのもの」であり、監督は「独裁者そのもの」だという「代物」なんだと気づく人間がどれほどいるのか、、、

こんなものに高得点など付けれるはずもない。
アトミ

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