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ペリカン文書のnagarebosiのレビュー・感想・評価

ペリカン文書(1993年製作の映画)
4.0
パクラ監督っぽくもあり、エンタメに寄りすぎたっぽくもあり…。

パクラ監督の70年代の作品は独特な不穏な空気感があり、あの気持ち悪さが好きなんですが、本作はスタッフがエンタメ系の作品を多く作っている人達が関わっているからか、あの不穏さはあまり感じず、比較的エンタメに寄った作りが残念でもあり…。だからといって"らしさ"が無いわけでもありません。

誰が敵で誰が味方か?推論で書いた文書を巡り政府機関が暗躍していく政治スリラーは好みで楽しめました。
「イヤー・オブ・オブ・ザ・ガン」も似たストーリーでしたが、あちらはゴリゴリのフランケンハイマー監督らしい作品でしたね。
ジュリアさんの衣装早替わりも、まあ許せるかな。
デンゼルさんの真っ直ぐさはやはりカッコいいです!「大統領の陰謀」の記者とは大違いのカッコよさは、人間臭い部分を剥ぎ取ったハリウッドらしい作り、その辺がちょっと個人的にはう~ん…な感じ。
リスゴーさんの威圧感たっぷりな上司は場をさらってますね。

照明、画角はかなりこだわったようですが、やはりゴードン・ウィリスの方が一枚上手かな、と。ジェームズ・ホーナーの音楽も入りすぎのような…。スリルを煽り上手いんですけどね。

などと書きましたが、久しぶりに観て充分に楽しめました!
大統領のアタマ空っぽなキャラクターは笑えます。