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ペリカン文書のYYamadaのレビュー・感想・評価

ペリカン文書(1993年製作の映画)
3.2
【法廷映画のススメ】番外編
グリシャム原作③
『ペリカン文書』(1993)
〈フィクション (現代 / ニューオリンズ) 〉

〈見処〉
①ベストセラー作家グリシャム原作の
 大ヒット「リーガル・サスペンス」
・『ペリカン文書』(原題: The Pelican Brief)は、1993年に製作されたサスペンス映画。
・本作の舞台は米国ニューオリンズ。検察官を目指し法科に通う女子大生ダービー(ジュリア・ロバーツ)は、世間を騒がす最高裁連続殺人に関する自分なりの説をまとめ文書を作った。
・いつの間にか「ペリカン文書」と名付けられたその文書が、国家上層部の黒幕の目に触れ彼女は命を狙われ、恋人でもあった恩師は殺された。
・孤立無援の彼女を助ける者は、ワシントン・ヘラルドの敏腕記者グランザム(デンゼル・ワシントン)の他にいない…。
・本作は、1992年に発刊されたベストセラー作家、ジョン・グリシャムの第三回小説を原作としたリーガル・サスペンス。グリシャム原作の前作『ザ・ファーム 法律事務所』(1993)からわずか半年後に公開された本作の大ヒットにより、ハリウッドでは、グリシャム原作小説の映画化権の争奪戦が始まった。

②デンゼルとジュリア
・当時38歳のデンゼル・ワシントン は、本作の前年となる1992年に公開された、スパイク・リー監督『マルコムX』にて「アメリカで最も尊敬されるべき俳優」にまでのし上がったばかり。
・翌1993年に出演した本作では、黒人俳優としての揺るぎない地位を確立するため、同じ部屋で一夜を過ごすシーンがありながら、本作でも白人女優(ジュリア・ロバーツ)とのラブシーンを拒否。
・本作の翌週に公開された『フィラデルフィア』同様に、デンゼル・ワシントンのキャリア形成において、重要な作品となった。
・一方『プリティ・ウーマン』(1990)以降、ヒット作に恵まれていなかった、当時26歳ジュリア・ロバーツは、本作にてシリアス描写の演技に開眼、彼女の代表作のひとつとなった。

③結び…本作の見処は?
公開時に夢中になって鑑賞した本作であるが…名作臭に騙されていたかも?

○:「政治とカネ」を背景にしたサスペンス。 殺し屋からの逃亡は、それなりに緊張感ある、重厚な演出。
○: デンゼル・ワシントンとジュリア・ロバーツともに、キャリアのピークと思えるルックスを確認出来る。
▲: そんな美男美女が何日も昼夜を共にしながら何も起きない、映画らしからぬ控え目な展開。
×:「最高判事2人を殺害するほどの陰謀?」「殺し屋、逃げられ過ぎでは!?」とグダグタの141分はイタダケナイ。そもそも本作のどこがリーガル・サスペンス?
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