ぴんじょん

ボルサリーノのぴんじょんのレビュー・感想・評価

ボルサリーノ(1970年製作の映画)
4.0
美しい(顔が)男の友情物語。

たぶん、評価には「懐かしさ」が加味されていると思います。

僕たちが子供のころはやったフランス製ギャング映画。

1970年の制作ということですから、当然、劇場で見たわけではなく、たぶん、テレビの洋画劇場で見たんだろうと思います。

あの時代はアメリカでコッポラが『ゴッド・ファーザー』を撮ったりして、暗黒街物の隆盛だったんでしょうね。(実は『ゴッド・ファーザー』は1972年で『ボルサリーノ』よりあと。でも、テレビの洋画劇場だから…)

アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモントという2大スターの競演が呼び物だったんでしょうね。

今見ると、いかにも絵にかいたような男の友情が鼻に着くところもありますが、なにしろ美男子と男臭い男の友情であるからして、「絵にかいたようなもの」が、かえって「見て」楽しい映画になっちゃっているのです。

下積みからのし上がって頂点を極めたところで凋落していくという物語はこういう暗黒街物にありがちなストーリー。
そういえばビートたけしの『アウトレイジ』もそんな話だったっけ。

チンピラどものすることだから、当然、良識ある僕らが真面目に考えながら見ると、例えば、敵の顔役をやっつけるために魚市場を混乱させるやり方は、結局、魚屋のおかみさんたちを困らせるだけで、悪いことでしかないんですよね。
アラン:ドロンだからって許せないでしょ。

相手の顔役のあくどさが描かれていれば、主人公たちへの共感度もアップしたのになぁ、と残念に思った次第。

でも、ラストのジャン・ポール・ベルモンドが殺されるシーンは、わかっていながらも哀しくなりました。

2017/12/17 5:25
5,241-5
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