リコリス

ボルサリーノのリコリスのレビュー・感想・評価

ボルサリーノ(1970年製作の映画)
4.8
辛い毎日は金で、いや金は無いから美形で解決だ!

あまりにもカッコ良かった2時間あまり。イタリア移民のドロン@ロッコに生粋フレンチのベルモンド@フランソワ。チンピラから街の顔役、表社会の名士に成り上がる。成り上がる手法はアレだが、『ジョン・ウィック』みたいな感じで、暴力苦手な人も大丈夫!(て、何が?)

マフィアと政界の癒着、警察との関係も丁寧に描かれてて。しかも服装ゴージャス(しかもカジュアルから三つ揃いまで)、場面場面の室内ゴージャス(この時代、仏はアフリカとアジアに植民地で、オリエント趣味に多人種…て、このあと、第二次大戦になるんだな)、おフランス景色ゴージャス(マルセイユの街、南仏)。グラスを上げ酒を飲む、タバコを葉巻をくわえる、帽子を被る、全てが完璧。(ローラの手ずからスープの食事。なんて美味しそうに食べるの)

そこに演技力もアクションも兼ね備える美形が2人。オトコの友情。相手を大事にしたいから自分が引く…。

ドロンが顔役になり贅を凝らした自宅のソファに寛ぐ姿はヴィスコンティ映画みたい。街の花屋でベルモンドが一目惚れで口説く姿は、あゝこれがコブラ、ルパンになったのね、とボ〜(心拍数上がる)

でもホントはベルモンドを堪能しに来たのに、何故かドロンに魂奪われた(笑)

音楽の使い方も洒落てるし(一番オキニはレコードをかけた時に流れ出す編曲)、鏡とかの使い方も(ダンサーの電話シーン)。それに、エンドロールでなく、2人のスチール写真でスパッと終わるカッコよさ。

パラマウント、午前10時の映画祭、本当に眼福Xmasありがとう。
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