ショコラ

善き人のためのソナタのショコラのレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
4.8
“盗聴”

旧東ドイツ、腐敗した監視社会に従事する、国家保安局員の心の葛藤を描いたヒューマンドラマ。

いかにもドイツ映画らしい、重厚で見応えのある秀作。

冷徹なヴィースラーがピアノの音色に突き動かされ、自身とは対照的な“他人の生活”に図らずも魅了されていく姿。

まさしくそれは、ミイラ取りがミイラになった状況。

決して感情を表に出さない、淡々とした彼の生き様が感動のラストに活きている。

男のプライドと孤独を体現した、ウルリッヒ·ミューエの演技が素晴らしい。
ショコラ

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