ばっしぃ

善き人のためのソナタのばっしぃのレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
4.0
ストーリー展開もほどよくサスペンスで静かな人間ドラマとなっている。
社会主義国時代の東ドイツで絶対的国家権力による横暴、言論や芸術に対する弾圧が普通に行われていたのがほんの30数年前のこと。
冷徹な体制側の主人公が、弾圧を受けつつも人間的に生きている劇作家と女優の生活を盗聴していくうちに感情移入し虚偽の報告をしていく物語。会話と屋根裏部屋で盗聴している主人公の表情の変化で表現している。
劇作家が後年盗聴者に守られていたことを知り、出版した本の巻頭にメッセージを添えた。主人公がその本を買いギフトかと聞かれ私のための本だと答える素敵な終わり方。
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