ゆうすけ

善き人のためのソナタのゆうすけのレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
4.0
終始歯がゆい気持ちと美しい表現に感銘を受ける気持ちが入れ代わり立ち代わり訪れた。
芸術とは何か。を定義し続けた結果がこの作品なのかもしれない。
時に人を感動させ、時に人を代え、時に人を妬み、時に人をも殺してしまう。
それが芸術であり、芸術家である。
ただ、世の中の芸術家は限られた人で構成されている訳ではなく、自分を含め、全ての人が芸術家であり、それを表現しているかしていないか、または表現出来るか出来ないかでしかない。だから、我々が芸術を提供できない側だとしても受け取ることはできる。
描けない、弾けない、魅せれない、そんな芸術家もいて当たり前。
描きたいことを描こうとすること。弾きたいことを弾こうとすること。魅せたいものを魅せようとすること。
それは今の時代に与えられた自由という特権。
その特権を少しでも手に入れた心地は所有していたい。
また、政治的背景が肝の作品だが、端々に表現しているヒロインとの切ない愛も、みなさんからのこの作品への総合評価が表している。
急に大切な人を失うという辛ささえも芸術なのかもしれない。
だとしたら、それを芸術だと思える自分にセンスがあると思うしかない。じゃないと明日にでも潰さられそうなほど寂しさを感じる。
ゆうすけ

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